多様性とは

講師ブログ

こんにちは、ワトル英語塾の山下です。夏休みということで、家族や友達と一緒に映画を見に行かれた方も多いのではないでしょうか。私も趣味の一つが映画鑑賞である映画好きです。さて、ずいぶん前から、ハリウッド映画を中心に「多様性」(diversity)が映画製作の際に最も重要な要素となっています。映画であれ現実の社会であれ、人種、文化、価値観にとらわれないことはとても素晴らしいことです。ただ、なぜかこの diversity が原因となって、世界中の人々が真っ二つに分かれて争うことが、特に映画界を中心に起こっているように思います。まさに本末転倒。映画ファンからすると、面白い映画が見たいのですが、作品そっちのけで活動家がイデオロギーをぶつけ合う場に変わってしまったような気がします。多様性を重視して「作品の多様性」を縛っているのではないでしょうか。「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の大ヒットも観客からのカウンターパンチのような気がしないでもありません。

日本はよく「多様性」の点で遅れていると指摘されることが多いですが、漫画やアニメなどの作品を見てみるとそんな事は無いと思います。例えば、鳥山明さんの作品は世界中で受け入れられ、多くのファンを獲得しています。もともと彼の作品を筆頭に、日本の漫画やアニメは無国籍な設定であり、それゆえ世界で受け入れられたともいわれています。では私たち日本人は「多様性」を気にして作品を見ていたでしょうか。作者は人種の配分を気にしながら物語の世界を作っていたでしょうか。違うと思います。作り手だけでなく、読者や視聴者もただ「面白い作品」かどうかを気にしていたと思います。

いつか私の大好きなハリウッド映画も、日本の漫画やアニメのように「多様性は当然」として「面白い作品」を追求するかつての姿を取り戻してほしいです。