新しい生徒さんが入塾してくれた時に毎回頭を悩ませるのが、それぞれに合ったテキスト選びです。難しすぎないか、易しすぎないか、また、生徒それぞれの目的に合っているかどうかなど、考え出すときりがありません。ただ必ず毎回行っていることは、自分が選んだテキストを実際に生徒の立場に立って使ってみることです。振り返ってみると、私は通信制高校の教員時代だけでなく塾講師になったあとも、テキストを、学習する生徒の立場ではなく、教える側として使いやすいかどうかを考えて選んでいた時期がありました。当然のことですが、テキストを使うのは生徒たちです。実際に生徒の立場に立つことはかなり難しいことで、完全に彼らの気持ちになってテキストを評価することは不可能であるかもしれません。ただそれでも、すくなくとも彼らと同じ目線で使用教材を選ぶことが指導者には求められているのではないでしょうか。
そのようにして様々なテキストに向き合ってみると、各出版社が本当に生徒のことを考えて、少しでも学習の手助けになればという思いでテキストを作成していると実感するようになりました。あとは使い手、つまり学習者と指導者しだいだということですね。